思考の整理学(外山滋比古)を聴いてみた!【AudioBook】

本書は、東京大学文理学部卒業で日本語論の分野で定評のあるエッセイスト・外山滋比古さんの著作です。
大学生協でも反響があり多くの学生たちに読まれてきた本のようです。
本書は、常識に囚われた平凡なアイデアしか出ないのは何故か、どうすれば創造的な考えを生み出すことができるのかを教えてくれます。
「思考の整理学」の要約

まず本書では学校教育によって、グライダー人間が増えてしまった事実を憂慮しています。
グライダー人間とは、自分の力で飛び立つことの出来ない人間のたとえです。
逆に自分の力で飛べる人間を飛行機人間と呼びます。
学校は、生徒たちに自由に飛び回られては困るので、従順なグライダー人間を熱心に育ててきました。
学校の意向に沿ったグライダー人間が困るのは、学校を卒業するときです。
それまでは、言われたことをやっていれば知的、知的とヨイショされてきました。
ところが、卒論では自由に書いていいと言われてしまうのです。
学生たちは、何を書いていいのか途方に暮れてしまいます。

コンピューターが発達した現在、知識しか無いグライダー人間は居場所がどんどん無くなっていきます。
そこで本書では、グライダー人間にエンジンを積み、自分の力で飛べる飛行機人間になるための思考整理術を解説しています。
知らずしらずのうちにグライダー人間になってしまった人たちに、創造する知恵を与えてくれる内容になっています。

「思考の整理学」の抜粋
「思考の整理学」を聴いて、
印象に残った文章を抜粋しました。
コンピューターという飛び抜けて優秀なグライダー能力の持ち主があらわれたからである。
自分で翔べない人間はコンピューターに仕事をうばわれる。
「思考の整理学」より
グライダーとしては一流である学生が、卒業間際になって論文を書くことになる。
「思考の整理学」より
[中略]
できるわけがない。グライダーとして優秀な学生ほどあわてる。
考えるときも同じことが言えそうだ。あまり考え詰めては、問題のほうがひっこんでしまう。
出るべき芽も出られない。
一晩寝てからだと、鍋の中は程よく煮えているというのであろう。
「思考の整理学」より
鞍上、車中でも、枕上、床の中でも、厠上、トイレの中でもてのとどくところに、メモできるものを置いておく。
「思考の整理学」より
いざとなったら、すぐ、それへ書き込めるようにする。
コンピューターには倉庫に専念させ、人間のアタマは、知的工場に重点をおくようにするのが、これからの方向でなくてはならない。
「思考の整理学」より
「思考の整理学」で得たもの

グライダー人間という例えが自分にピッタリで、どうしたら自分で考えられるようになるか、その答えを期待しながら読み進めました。
でも、当然ながら特効薬のようなものは無く、どちらかというと生活習慣の改善のようなヒントが散りばめられていました。
その中でも、取り組み始めているのがメモを取ることです。
脳はコンピューターと違って忘れるのが前提。
「忘れないように」と脳に負荷をかけるくらいならメモを取って、脳の空き領域を増やしたほうがいいですね。
また、本書で書かれていた「寝かせ」も効果的です。
これまでは、例えばこのブログ記事に取り掛かったら、完了するまで同じ記事を書いていました。

そこで本書に従い、3つくらいの記事を同時並行に書いていくようにしたら、意外と書けました。
本書でも例が出ていましたが、学校の時間割みたいに時間が来たら仕事をスパッと切り替えても大丈夫です。
これが意外と考えが煮詰まらなくて、良い気分転換にもなっています。

「思考の整理学」のデータ
「思考の整理学」 | |
出版日 | 1986/4/24 |
著者 | 外山滋比古 |
ナレーター | 西村不二人 |
出版社 | 筑摩書房 |
再生時間 | 05:50:28 |
図表 | 4 枚 |
チャプター数 | 35 |
紙書籍価格 | 1,080円(文庫562円) |
AudioBook
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1,080円 |
まとめ
本書は、タイトル通り自身の思考を整理するため先生からアドバイスをいただき続けるといった、まるで授業を受けているような短時間で身に染みる構成でした。
「突如として驚くようなアイデアが出てくる!」、「頭がよくなる!できる人になる!!」といった特効薬ではありませんが、本書は徐々に効き目が出てくるような大切にしていきたい1冊かと思います。
自身の考え方を見直すために非常に参考になる本でした!
AudioBookはこんな人に向いています
自動車によく乗る人
自転車通学をしている人
通勤時間が長い人
運動するのが好きな人
家事をする時間が長い人
本を読むのが苦手な人
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