「自分のアタマで考えよう」(ちきりん)をAudioBookで聴いてみた!

僕の働く飲食業界は売上が下がると広告をうったり、値引きをしたりする店舗が多いです。
よく「19時まで生ビール半額」なんてやっている店は、売上が下がっていることをアピールしているようなものですね。


ということで、ちきりんさんの「自分のアタマで考えよう」を聴いてみました!
「自分のアタマで考えよう」の要約
「自分のアタマで考えよう」の著者は、独特の視点が人気のブロガー「ちきりん」さんです。
2013年時点で、「Chikirinの日記」と身の回りの話題を扱う「ちきりんパーソナル」を合わせ月間200万PV、月に20万人以上の読者が訪れており、日本で最も人気のある個人ブログのひとつと評されている。
Wikipedia
本書は、ちきりんさんの視点で「自分のアタマで考える方法」について解説されています。
オリジナルのアイデアが出ない理由
そもそも、なぜオリジナルのアイデアが出てこないのか?
本書では、「自分で考えたつもりで、知っていることを思い出しているだけだから」と解説しています。

一例として、本書では少子化問題をどう考えるかという問いが挙げられています。
この問題を自分のアタマで考えるには、「なぜ?」「だからなんなの?」と、順に問うことから始めます。
少子化の「なぜ?」

このグラフから、ちきりんさんは「なぜ?」を6つ挙げています。
- なぜ、戦後の数年間の出生数はこんなに多いのか?
- なぜ、そのあと急激に減ったのか?
- なぜ、1966年は急激に落ち込んだのか?
- なぜ、1971年~1974年に再び増えたのか?
- なぜ、そのあと減少に転じたのか?
- なぜ、最近は横ばいなのか?
これらを考えていくと、最近の少子化の原因は出生率が低いことではなく、親の数が足りないことだと分かってきます。
子供の数は出生率✕親の数で決まるのです。
出生率だけを見るのではなく、親の数も見ないと少子化の解決策は出てこないんですね。
少子化のだからなんなの?
「なぜ?」が分かると「だからなんなの?」を考えることができます。
- 出生数はこのまま減る一方なのか?
- 出生数が減ることは問題なのか?
- 出生数が減るとどんな問題が起こるのか?
- 出生数を増やすにはどんな方法があるか?
本書では上記の質問が挙げられていましたが、他にも「出生数が減る利点は無いのか?」「世界と比べて日本はどれくらい少子化なのか?」など、いろいろな視点から問いを考えることが大切です。
例えば、出生率が変わらず、どうしても子供の数が必要であれば、親の数を増やすことになります。
こうして、ちきりんさんは「働き手を兼ねて、移民を受け入れるのはどうか?」というオリジナルな解決策を提案しています。
別の人は「日本は国土が狭いんだから、もっと少子化を進めるべきだ」というオリジナルな結論に達するかも知れません。
一方、何も考えていないと、世の中で「少子化で大変だ」と言っているから、なんとなく少子化が悪いように考えて思考停止してしまいます。
このように世間の意見を鵜呑みにするのではなく、自分で考えることの大切さを本書では説いています。
他にも就活、婚活、政府の機関など、多数の例を挙げて「自分のアタマで考える方法」について解説されています。
「自分のアタマで考えよう」の抜粋
「自分のアタマで考えよう」を聴いて、
印象に残った文章を抜粋しました。
世の中の事象には、なんであれ良い面と悪い面があります。
結論は各人が思うところを一つ選ぶわけですが、情報を見て考えられることを全て列挙せよと言われたら、良い面と悪い面の両方が出てくるのが「知識にだまされていない純粋な思考」の結果です。
「自分のアタマで考えよう」より
過去の知識ではなく、目の前の情報から考えることができるかどうか。
それが「考えることができる人」とできない人の分岐点です。
もしくは、「時代の変化に気がつく人」と気がつかない人の違いとも言えます。
「自分のアタマで考えよう」より
私たちはしばしば他人の考えを自分の考えであるかのように錯覚します。
「自分のアタマで考えよう」より
次に起こることを予想し、それに対応するために何をすべきか考える、これが「だからなんなの?」によって問われる思考です。
「自分のアタマで考えよう」より
本章で使った表は「2✕2マトリクス(ツーバイツー・マトリクス)と呼ばれています。この表を書こうとすると、縦と横に一つずつ、計ふたつの判断基準が必要です。
反対に言えば、それ以外の基準は切り捨てられます。
「自分のアタマで考えよう」より
「自分のアタマで考えよう」を仕事にどう活かす?

本書で解説されていた方法で、飲食店の売上を10%伸ばす方法を自分のアタマで考えてみます。
飲食店の売上は、大きく分けると客数✕客単価(一人のお客さんが支払う額)なので、次のような表で考えると分かりやすいでしょう。

つまり、売上を10%上げるには、単価upで5%、客数で5%上げれば良いことが分かります。
もちろん、単価を10%上げれば達成できるかも知れませんが、単なる値上げでは客数が減ることも考えないといけません。
客単価を上げる方法を書き出していきます。
- 値上げ
- セットメニュー
- デザートの開発
- サラダなどサイドメニューの充実
- オススメ商品の売り込み
- 接客の向上
- ・・・・

同じように客数を増やす方法も考えてみます。
- 値引き
- ポイントカード
- LineなどのSNSで集客
- 広告をうつ
- 子供へのプレゼント
- 接客の向上
- ・・・・
こうしてみると、接客の向上は客単価にも客数にも有効な方法だと見えてきます。
逆に値段を直接いじるのは、単価と客数に相反する施策だと分かります。
こう考えると、冒頭で書いた「19時まで生ビール半額」は、果たして本当に売上が上がるのか怪しく思えてきます。
ということで、僕の店では「1日の売上が〇〇円を超えたら、時給を+100円」とすることにしました。
これなら接客の向上も見込めるし、空ビンを見つけたら「もう一本お持ちしましょうか」と勧めることもアルバイトがやってくれます。


「自分のアタマで考えよう」のデータ
「自分のアタマで考えよう」 | |
出版日 | 2011/10/28 |
著者 | ちきりん |
ナレーター | 吉川雅子 |
出版社 | ダイヤモンド社 |
再生時間 | 04:32:40 |
図表 | 60 枚 |
チャプター数 | 14 |
紙書籍価格 | 1,512円 |
AudioBook
![]() |
1,512円 |
まとめ
「自分のアタマで考えよう」を読んで、自分がいろんなことを鵜呑みにして思考停止していたことが、よく分かりました。
また、考えるときは上の「仕事にどう活かす?」の項でも紹介したように、2✕2のシンプルな形が思考を整理しやすいことも学びました。
僕と同じように「アイデアが出てこない…」と悩んでいる方に、ぜひ聴いてもらいたい本です!
AudioBookはこんな人に向いています
自動車によく乗る人
自転車通学をしている人
通勤時間が長い人
運動するのが好きな人
家事をする時間が長い人
本を読むのが苦手な人
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